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せどりの回転率を徹底解説!【計算方法と最適な運用方法を紹介】

おはようございます。 

パグです。 

この記事では、せどりの回転率について解説します。 

せどりに限らず、物販において 回転率は利益や資金繰りに大きな影響を与えるので、副業でも専業でも必須の知識です。

”回転が遅いとお金になるまでに時間がかかるので好ましくない”ということは皆さん理解されているかと思いますが、”早すぎるのもメリットばかりではない”ということはあまり知られていないのではないでしょうか。

回転はある程度操作することが可能です。

自分にとって理想的な回転率に近づける戦略を理解して、せどり利益の最大化を図りましょう。

せどりの回転率とは

回転率(在庫回転率)とは、一定の期間内に、ある商品がどれだけの頻度で入れ替わるかを示す指標です。

商品の売れ行きを表す”回転”を数値化したもので、売れ行きが早いか遅いかを測るために計算します。

売れ行き(回転)は早い・遅いと表現しますが、回転率は高い・低いと表現します。

回転率が高いと商品がよく売れていて、お金に変わるペースが早いです。

反対に回転率が低いと商品の売れ行きが良くなく、お金に変わるペースが遅いです。

つまり、回転率はキャッシュフロー(現金の流れ)に大きな影響を与えるということです。

キャッシュフローへの影響

基本的には回転率が高い方が売上金の回収が早く、その資金をまた仕入れに利用して利益を創出できるので望ましいです。

回転率が低いと、いくら利益率が高くても入金が先延ばしになり稼いでいる実感が湧かないだけではなく、最悪の場合仕入れ代金の支払いもままならない事態に陥る危険性が出てきます。

回転率が高い:キャッシュフロー上昇

回転率が低い:キャッシュフロー低下

しかし、回転率は高ければ無条件に良いというわけでもありません。

実は回転率が高すぎると不利に働く一面があります。

それは”機会損失”です。

機会損失

機会損失とは、得られたはずの利益を逃すことを意味します。

回転率が高すぎる場合の機会損失は、「本来もっと高く売れたかもしれないのに、安く売れてしまって利益を逃した」という状態です。

回転率が意図せず高すぎる状態は、商品に安すぎる値付けをしてしまっていることに他なりません。

新品せどりで競合が多く、そもそも回転率が高い戦場で戦っているなら仕方がないですが、中古せどりで競合が少なかったり、希少性の高い商品を扱う場合は機会損失の影響は非常に大きいです。

つまり、供給量より需要の方が多い商品に関しては、売り切りまでの販売期間をある程度長めに見て、強気な値付けで臨むことが利益最大化につながるということです。

せっかく頑張ってリサーチして見つけた商品ですから、ポテンシャルを見誤らないことが重要です。

自動で最低価格を追尾する機能を持つ”価格改定ツール”を利用している場合は注意が必要です。

不本意な価格、妥当ではない価格、赤字転落になる価格に自動で改定されると、いくら回転率が高くなっても利益が生まれづらくなります

その結果、売上は大きいのにお金が残らないという状態に陥ってしまいます。

せどりツールは便利ですが、機能はしっかり考えて使うように意識しましょう。

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計算方法

回転率の計算方法には二通りあります。

1.在庫数による計算方法

2.金額による計算方法

在庫数の方が計算は簡単ですが、金額の方がより精度の高い計算結果が得られます。

在庫数による計算方法

在庫回転率=期間中の総出庫数÷期間中の平均在庫数

期間中の平均在庫数=(期首在庫数+期末在庫数)÷ 2

計算例:1ヵ月期間

期首在庫数(=月初在庫):300件

期末在庫数(=月末在庫):300件

平均在庫数=300+300 ÷ 2=300件

総出庫数(=月内販売件数):100件

在庫回転率=100 ÷ 300=0.3

つまり、月に在庫の30%が売れていて、在庫数を維持する仕入れをしている状態と言えます。

金額による計算方法

在庫回転率=期間中の出庫金額(売上原価)÷期間中の平均在庫金額(棚卸資産)

期間中の出庫金額=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

期間中の平均在庫金額=(期首在庫高+期末在庫高)÷2

在庫高と商品棚卸高の違い

在庫高は帳簿に記録された数値です。

棚卸高は帳簿と現物の差異をチェックした後の現物の数値です。

ここでは同一として考えます。

計算例:1ヵ月期間

期首商品棚卸高(=月初在庫金額):100万円

当期商品棚卸高(=月内仕入金額):50万円

期末商品棚卸高(=月末在庫金額):90万円

出庫金額(売上原価=月内に販売した分の仕入金額):100+50-90=60万円

期首在庫高(=月初在庫金額):100万円

期末在庫高(=月末在庫金額):90万円

平均在庫金額:100+90 ÷ 2=95万円

在庫回転率=60 ÷ 95=0.63

つまり、月内に在庫の63%が売れていて、月内の補充が追い付いていない状態と言えます。

回転率を自動計算してくれるせどりツールもありますが、機能が無い場合は手動で計算してみましょう。

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せどりにおける理想的な回転率

回転率が高いか低いかは人によって異なります。

主に以下の要素に影響されます。

・本人の経済状況
・目標利益
・せどりの種類
・商品ジャンル
・価格帯

例えば、資金に余裕がある人はむやみに回転率を高くする必要性がありません。

新品せどりの場合は原価率が高い(=利益率が低い)ので、回転率が高くないと資金を回収できません。

プレミア商品や廃盤品など希少性が高い商品はむしろ回転率という概念はありません。

高価格帯の商品なら回転率が低くなりますが、逆に低価格帯は回転率が高くなります。

上記の理由から「一律この回転率が基準!」というものは無いのです。

つまり、自分がやっているせどりで満足なキャッシュフローを得られる回転率がご自身にとっての理想的な回転率ということです。

ただし、これでは参考にならないので目安を以下に紹介します。

ジャンル別の平均回転率

一般的な回転率の目安

30~90日(1~3ヶ月)以内に売れるのが理想

ジャンル平均回転日数回転率の目安
本・漫画30~90日中~低
家電・ガジェット15~60日
おもちゃ・ホビー30~90日
アパレル・靴45~120日
食品・消耗品7~30日
コレクターアイテム90~180日

高回転(30日以内):トレンド商品・家電・消耗品

中回転(30~90日):人気書籍・ホビー・季節商品

低回転(90日以上):コレクターアイテム・ブランド服

新品せどりの回転率

新品せどりは原価率が高い(=利益率が低い)ので、早期に売上金を回収しなければキャッシュフローがマイナスになる危険性が高いです。

新品せどりの利益率は平均10%程度なので、10万円を稼ぐにはざっくり100万円分の売上が必要です。

経費(販売手数料と配送料)の割合が計30%とすると、原価率は60%となります。

ということは、60万円分の仕入れが必要です。

60万円はすでにキャッシュアウト(現金の支出)が決まっていますが、100万円分を売り上げても現金としては100%-30%=70%で70万円しか入ってこないことになります。

60万円を使って10万円を稼いでいる状態だということです。

毎月10万円を稼ぎたいのであれば、手残り70万円-稼ぎ10万円=60万円をまた仕入れに使う必要があります。

つまり、回転率は1(1ヵ月以内に在庫が1回転=100%売り切る)以上ないと安定した収益は望めないということが分かります。

新品せどりは必然的に現行品を取り扱うので、入手しやすく競合が発生しやすいです。

そのため、本来高回転ではありますが、熾烈な価格競争を勝ち上がって販売していく必要があります。

なので、利益率を維持しながら高回転も維持することが新品せどりで稼ぐための必須条件と言えます。

これが資金が潤沢に無いせどり初心者が新品せどりで稼ぐのは難しいとされる理由です。

中古せどりの回転率

中古せどりは原価率が低い(=利益率が高い)ので、ある程度キャッシュイン(現金の収入)が遅くても資金繰り悪化のリスクは低いです。

中古せどりの利益率は平均40%程度なので、10万円を稼ぐにはざっくり25万円分の売上が必要です。

経費(販売手数料と配送料)の割合が計30%とすると、原価率は30%となります。

ということは、7.5万円分の仕入れが必要です。

25万円分を売り上げた場合、現金としては100%-30%=70%で17.5万円が入ってくるので、7.5万円を使って10万円を稼いでいる状態だということです。

また10万円稼ぐには7.5万円を使う必要がありますが、この割合の差に新品せどりと中古せどりの大きな違いがあります。

新品せどり:60万円⇒10万円

中古せどり:7.5万円⇒10万円

この差は何かというと”資金効率”です。

新品せどりの資金効率:10万円 ÷ 60万円=16%

中古せどりの資金効率:10万円 ÷ 7.5万円=133%

資金効率に8倍の差が出ています。

これは在庫を1回転させた場合、資金をどれだけ増やせるかということです。

分かりやすく言うと、自転車操業雪だるま式です。

自転車操業では資金を回収しながら次の仕入れに充てなければ利益が作れないのに対し、資金効率100%超の雪だるま式なら早期に資金回収が終わるので余剰分を仕入れに充てればどんどん利益が膨らむということです。

逆転して考えれば、早期に売り切らなくても資金繰りへの影響は低いということです。

ここで前章で解説した”機会損失”の理論が活きてきます。

利益を最大化しつつもキャッシュフローへの悪影響を避けることを両立できる回転率を実現することが中古せどりの理想です。

私の場合は回転率0.3(1ヵ月以内に在庫の30%を売り切る)を水準としています。

厳密にいうと、3ヵ月以内の売り切りを目標としつつ、6ヵ月までは充分に利益幅が取れる余裕を持って臨み、最長で9ヵ月までに売り切ると決めています。

中古せどりをやったことが無い、もしくは成果が芳しくない方にはかなり長期スパンに感じると思いますが、これが在庫数の確保と保管コストなどのバランスを総合的に考慮しての結論です。

中古せどりは回転に焦ることなく着実に利益が上がるので、せどり初心者でも安心して取り組むことができます。

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せどりの売れ行き操作方法

回転、つまり売れ行きはある程度操作が可能です。

その方法を解説します。

1.価格改定(値下げ)

2.取り扱う価格帯の比重調整

3.取り扱う商品ジャンルの比重調整

大前提として、商品説明文や写真掲載による情報の充実化や信頼できる出品者であることをアピールしておくことは販売インフラを整えるうえで重要です。

価格改定(値下げ)

出品中の商品に対しては価格改定による競合優位性の向上が最も効果が高い方法です。

※新品商品に関しては価格でしか差別化が図れないので唯一の対策方法となります。

価格改定と行う際は以下の項目を考慮するとより効果的です。

・現在の競合の最低価格

・商品の状態に見合った適正価格

・過去の販売実績(相場)

・価格推移(上昇または下降傾向)

・競合出品者の信用度(評価の高い競合より優先され得る価格)

・配送料や配送期間を加味した価格

・セット売りの場合お得感のある価格

・カート取得価格(Amazonの場合)

・競合数(競合が売り切った後の自分の順位)

競合が価格改定ツールによって追尾してくる可能性も高いので、その点も考慮しましょう。

また、利益が減少するので売れればよいというわけでもありません。

経済状況によって利益最大化を優先するか、資金回収を優先するかなど最善の方法は変わってきます。

せどり初心者は”一律値下げ”という安易な行動に走りがちですが、臨機応変な対応を心がけてください。

価格改定のタイミング

新品せどりは最安を狙い、回転率1以上を目指す必要がありますが、中古せどりの場合は早すぎても機会損失を招くので、価格改定はタイミングが重要です。

以下に基準を解説します。

1ヵ月以内:早過ぎる。価格が安すぎた可能性。利益改善の余地あり。

1〜2ヵ月:悪くない。未経験者ならちょうど良し。半年以上経験を積んでいたのであればもう少し強気でもOK。

2〜3ヵ月:予定通り。回転と利益のバランスが取れているはず。この調子で進めば理想的。

3〜4ヵ月:許容範囲内。未経験者なら価格が少し強気すぎたかもしれないので、資金回収のスピードを上げたい場合は価格を抑えめにしても良いが必須ではない。

4〜5ヵ月:少々遅め。値下げした方が良い。キャッシュフロー悪化の可能性が高まる。

5〜6ヵ月:かなり回転が悪いので仕入指針の見直しが必要。資金繰り悪化の可能性が出てくる。

6~8ヵ月:売れない商品を仕入れている。価格どうこうの問題ではない可能性あり。根本的な見直しが必須。

9ヵ月以上:このままではヤバイ。FBA利用の場合保管コスト上昇。廃棄した方が良い可能性が高い。

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取り扱う価格帯の比重調整

取り扱っている価格帯によって売れ行きは変動します。

低価格帯なら購入への心理的ハードルも低いため、購買層が厚く売れ行きも早い傾向があります。

当然、高価格帯だと真逆に働きます。

高価格帯でも売れ筋商品なら売れ行きは早いですが、上記が原理原則です。

なので、回転率が低いと判断した際は、意識的に低価格帯の商品を仕入れるようにしましょう。

どの程度が低価格帯か高価格帯かは人によって考え方が分かれるところではありますが、参考値として私の基準を以下に紹介します。

低価格帯:1,000円未満(消耗品)
     2,000円未満(非消耗品)

高価格帯:2,000円以上(消耗品)
     3,000円以上(非消耗品)

日本人の平均可処分所得を考慮すると、3,000円以上の出費には抵抗感が生まれやすいというのが持論です。

物販初心者で基準が分からないという方は、実績がある人のマネをすれば大きく外すことは無いので参考にしてみてください。

取り扱う商品ジャンルの比重調整

商品ジャンルによっても売れ行きの傾向が異なります。

回転率が低い場合は、売れ行きの早い商品ジャンルの割合を上げることを意識しましょう。

以下が売れ行きの早い商品ジャンルになります。

・ベビー用品

・日用品(洗剤や身の回り品など)

・消耗家電(電池や電球など)

無いと困るような生活必需品が最も売れ行きが早いです。

ただし、競合も生まれやすいので、競合数は多すぎないか、値下げしても利益の幅はしっかりあるかをしっかりチェックして仕入れるようにしてください。

まとめ|せどりの回転率

・原則、回転率が高いとキャッシュフローが上昇、回転率が低いとキャッシュフローが低下

・ただし、回転率が高すぎると機会損失を招く可能性あり

・回転率の計算方法は在庫数と在庫金額の二通り

・理想的な回転率は人によって異なる

・新品せどりは価格競争の中で高回転が必須

・中古せどりは低回転で利益最大化を狙う

・売れ行きは価格改定だけでなく価格帯と商品ジャンルの比重調整で操作可能

回転率は難しい計算ではありませんが、毎月計算するとなると少々面倒です。

なのでまずは、ご自身にとって最適な回転率を知ることと、正しい計算方法を理解するようにしましょう。

最初だけ計算の実践を頑張れば、後は在庫数や在庫金額だけで自然と現在の回転率が良いかどうかが分かってきます。

回転率を正しく使えるようになれたら、もうせどり初心者の域から脱したレベルです。

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