お金を流れを知ることで、実際にせどりで稼ぐ自分を想像しやすくなります。
「価格差による利益を得る」というせどりの漠然としたイメージを払拭し、儲けを生み出すリアルな過程をご覧ください。
この記事では、せどりのプロはどのようなプロセスで稼ぎを生んでいるのか、数値に着目して解説します。
※前提として、店舗中古せどり+FBA(中古品をリサイクルショップで仕入れてAmazonで自動販売する形態)に取り組んでいる事例になります。
私パグは今となってはせどりコンサルを提供していたり、医療施設を所有していたりしますが、本業はせどりです。
せどり一本の稼ぎで家族を養えているので「プロせどらー」を自称しても過言では無いでしょう。笑
私パグの実績を基に解説しますので、既にせどりに取り組んでいて稼げていない方はどの部分に問題があるか比較してみてください。
プロの稼ぎを知ってもらうためには、利益(事業の過程を表す計算:成績)とキャッシュフロー(現実の手取り:稼ぎ)に分けて考える必要があります。
事業に取り組んだ結果、その善し悪しで変動するのがキャッシュフローです。
★利益とキャッシュフローの違いについての解説記事はコチラ↓↓
それぞれ順番に解説します。
利益(事業の過程を表す計算:成績)
上記画像はAmazon販売の売上管理システム(セラースケット)で集計した画面のキャプチャーです。
他にもメルカリの売上や旅費交通費・消耗品費など集計されていない数値があるので、せどりに関する全ての数値を反映させたものが下記の表です。
単位/円 | システム集計/年 | その他計/年 | 総計/年 | 月平均 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 9,429,050 | 214,051 | 9,643,101 | 803,591 |
仕入額 | 1,948,013 | 1,948,013 | 162,334 | |
経費 | 2,989,506 | 647,811 | 3,637,317 | 303,109 |
返金 | 319,115 | 319,115 | 26,592 | |
利益額 | 4,172,416 | 3,738,656 | 311,554 |
年間 | 月平均 | |
---|---|---|
販売件数 | 3,624件 | 302件 |
仕入件数 | 3,817件 | 318件 |
仕入回数 | 42回 | 3.5回 |
平均売上単価 | 2,602円/1個あたり | |
平均仕入単価 | 538円/1個あたり |
単位/円 | 年間 | 月平均 |
---|---|---|
入金額(収入) | +6,675,503 | +556,291 |
出金額(支出) | -2,990,543 | -249,211 |
キャッシュフロー(手取り) | +3,684,960 | +307,080 |
2023年は上記の結果でした。
各項目の数値は概ね狙い通りで落ち着きました。
各項目を順番に詳しく説明していきます。
売上高
売上高は販売価格の合計です。
売上高(課税売上高)が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生する(最大10%利益が減少する)ので、私としては労働効率を考えて、せどりでは年間売上高1,000万円を超えない範囲で活動しようと計画しています。
2023年の年間売上高は約960万円だったので無事範囲内で決着しました。
基本的に前月の後半から当月の前半の仕入に応じて当月の売上が変動するので、当月の売上が目標より高ければ次月の仕入を控えめにしたり、売上が低ければ仕入を頑張ったりしています。
なので、売上は月によって多少の変動はありますが、大きく月平均から外れることはあまりありません。
私が指南しているせどりスキームが安定利益を謳っている理由の一つです。
労働効率を考えて意図的に売上を制限しているので、もっと稼ぎたいという方は仕入を控えたりせずひたすら頑張ればさらなる伸びしろが期待できます。
私が月平均の手取りを30万円程度で推移させている理由の一つが消費税の納税義務の回避です。
もう一つの理由は後述する仕入単価を上げるリスクの回避です。
売上を増加させるのは正直簡単です。
単価を上げたり、件数を増やせば達成できますが、それは諸刃の剣です。
回転率の悪化や経費の増大によりキャッシュフローの悪化、損失発生率の上昇、返品時の損失額の増大などの弊害が起こり、失敗のダメージが大きくなります。
売上を増加させるより、経費の削減や労働効率の向上により利益を増加させる方が危険性が小さいことを念頭においてください。
仕入額
仕入額は仕入値の合計です。
私のスキームではリサイクルショップからの仕入です。
※たまに電脳での仕入れもしますが微々たる額で本筋とは違うのでこの記事では割愛します。
2023年の仕入額は約190万円でした。
ここで利益とキャッシュフローの違いに関係する注意点です。
この仕入額約190万円は、2023年に私が仕入れた商品の支払総額を意味する数値ではありません。
2023年に売れた商品の仕入額です。
売上管理ツールで出品する際は、商品ごとに販売価格だけでなく仕入値も登録します。
そして商品が売れたタイミングで、その商品の売上高と仕入額が計算結果に反映されることになります。
つまり、商品を仕入れた段階では商品という価値のある資産を手に入れ、仕入代金の支払い分だけキャッシュフローがマイナスに動きますが、売れるまでは事業の成績(利益)自体は動かないということです。
何が言いたいかというと、仕入額(売れた商品の仕入値)と出金額(実際に支払った現金)の差は手取りに影響するということです。
仕入額は現実に結果を残せた商品の数値なので、どれだけ効率的に利益を出せたかの指標になります。
ただし、売れずに残っている商品も存在していることを忘れてはいけません。
そこで比較対象に使えるのが出金額です。
出金額には売れた商品の仕入値も含まれていれば、売れずに残っている商品の仕入値も含まれています。
なので、せどりを継続するつもりでコンスタントに仕入れているうちは基本的に、
仕入額<出金額
となります。
出金額が大きいこと自体は問題ではありません。
注意すべきは、仕入額に対して出金額が大きければ大きいほど、利益額(成績)に対して現実の手取り(稼ぎ)が少なくなるということです。
私の場合、出金額2,990,543円のうち、仕入代金は2,143,188円でした。
仕入額約190万円との差は約24万円です。
24万円は仕入代金214万円の約10%なので、この年に仕入れた商品は9割が売れて、1割が売れずに残っていると言い換えることができます。
売れ残り1割は全てが不良在庫(値下げしても売れない商品)というわけではなく、これから売れる商品も混ざっているので、実質の売れ残りは私の場合一桁%です。
物販ではかなり少ない方なので、手取りに及ぼす影響も少なかったということになります。
せどりの目的は稼ぐことだと思います。
「成績が悪いのに稼ぎは良い」はほぼほぼあり得ませんが、「成績は良くても稼ぎが悪い」は珍しいことではないので、日ごろから仕入額と出金額のバランスを監視するように心掛けましょう。
仕入れた商品がプレミア化するまで寝かせて何年後かに回収という「寝かせ」というせどり手法も存在します。
寝かせは多額の出金が先行し、なおかつ値上がりするまで入金を待てる人でなければ成立しないので、資金が潤沢にある方向けです。
経費
経費は利益を出すうえで間接的に要する費用です。
経費には変動費と固定費に二分されます。
変動費とは、事業を営むうえでかかる経費のうち、売上や販売数に比例して増減する費用のことです。
販売手数料、配送料、保管料、旅費交通費、消耗品費など
固定費とは、事業を営むうえでかかる経費のうち、売上高や販売数量にかかわらず常に一定の期間で発生する費用のことです。
システム利用料、地代家賃(倉庫や事務所を借りる場合)など
2023年の私の実績値は総計3,637,317円でした。
【経費内訳】
約270万円…Amazon手数料(購入者への配送料を含むFBA販売手数料)
約30万円…FBA納品代(Amazon倉庫への配送料+保管料等)
約60万円…メルカリの販売手数料+配送料、システム利用料(Amazon以外:セラースケット・Keepa)、旅費交通費、消耗品費など
経費の80%以上が販売手数料と配送料で占めていて、これらは変動費に当たります。
対して固定費は、月額がかかるAmazonとセラースケット、Keepaのシステム利用料で年間約15万円と5%に満たない小さな比率です。
売上約960万円に対し、仕入額約200万円なので原価率は20%です。
そして経費は約360万円なので経費率は38%と、原価率の倍近くになっています。
「原価率より経費率が高い」と聞くと、あまり良いことのように感じないかもしれませんが、これは実は良いことです。
なぜなら、売れなくても必然的にかかる原価(仕入値)に対して、変動費が多くを占める経費は売上が立たなければかからないからです。
原価を上げなければ売上を上げられないビジネスモデルと比べて、売上があって初めて発生する経費が大きいビジネスモデルの方がリスクが小さいことを表しています。
とは言え、利益を食いつぶさないために経費は小さいに越したことは無いので、圧縮できる経費は可能な限り抑えるように心掛けましょう。
「費用は使うべきところには惜しまず、抑えられるところはケチる」
どんなビジネスでも共通する考え方だと思います。
私の場合、Amazon手数料は高く売るため+楽して売るために必要不可欠な経費と思っています。
一方、旅費交通費はたくさん仕入れるための必要な経費ではありますが、なるべく安いホテルを探すなど経費削減の努力をするようにしています。
お昼ご飯に良いものを食べて仕入を頑張るというのは、個人的にはおすすめです。笑
返金
返金は、一度は売れたが返品されて売上が白紙に戻ったケースです。
FBAでは、商品到着から30日以内であれば自動的に返品・全額返金に応じるというシステムがあります。(購入者都合の返品は50%返金とされる場合もあります。)
商品に問題があった場合は当然出品者に責任があり、そうしたケースの返品の際は申し訳なく思う気持ちがある一方、出品者側に過失が無くても購入者の一存で返金されてしまうケースでは腑に落ちないことも少なくありません。
しかし、揉めても得られるものはほとんど無いに等しいですし、対応する時間効率から考えると完全に時間の無駄です。
何より精神衛生上よろしくないので割り切って付き合うのが賢明だと思います。
「この返金システムがあるのでAmazonは高く売れる」「トラブルをAmazonが円滑に収めてくれている」と発想を転換しましょう。
中古品は新品に比べると返品率は当然高くなりますが、しっかりと検品し、商品説明にコンディションに適した文言を入れておけば、意外と返品には至りません。
通販における返品率の平均値は約5~10%とされているので、私は返品率の目標値は3%以内と少し厳しめに設定しています。
2023年の私の実績では年間で319,115円分の返金があったので、返金率は3.3%(返金319,115÷売上9,643,101)となります。
返品率は件数(返品件数/販売件数)、返金率は金額(返金額/販売額)で計算します。
年単位の期間で計算すれば両者は近似値になりますが、返金率の方が実態をより正確に把握できるのでおすすめです。
目標値からは気持ちオーバーしてしまいましたが、平均値よりかなり低い水準に着地した結果となりました。
ちなみに、返金額の約30万円はそのまま「損失」というわけではありません。
本来得られるはずだった売上が約30万円分得られなかった、ということです。
真に損失と言えるのは、返品された商品が再出品できない状態だった場合、その仕入値分が損失に転じます。
つまり、仮に30万円分全ての商品が売り物にならなかった場合、前述した原価率20%を適用すれば6万円分の損失ということです。
しかし実際には安く出品し直して売れたり、商品としては売り物にならない場合でも仕入の際についでにリサイクルショップに買い取ってもらえることがほとんどなので、結果として実害はかなり小さいものになります。
元々の中古品としての仕入値の安さに加え、返品されても再販売時に極端に値下がりしないのは中古せどりの強みです。
返品率3%以内を目標に、検品やクリーニングなどが疎かにならないように気持ちを引き締めて臨みましょう。
利益額
利益額は売上から仕入と経費を差し引いた金額です。
利益額の大小によって現実の稼ぎ(キャッシュフロー)が変動します。
2023年の利益額は3,738,656円、月平均は311,554円でした。
私はせどりで月に30万円以上を稼ぐことにしているので、無事達成していることになります。
「そんな目標通りいくもの?」と不思議に思われる方もいるかもしれませんが、仕入の際に基準とする利益率と回転率、仕入単価、仕入件数を守り、途中経過で目標水準に増減があっても軌道修正を施せば、自然と目標に近づきます。
私の仕入基準をお教えします。
★利益率
30~39%:妥協。月何十件と売れている高回転率の商品ならこの利益率でも可。
40~50%:ボリュームゾーン。8割方の商品はこの利益率で構成。
51%~:狙うのはこの利益率。数件で利益が爆増するゲームチェンジャー。
★回転率(売り切りまでの期間)
1ヵ月以内:良いけどちょっと早すぎる。もっと高く売れる可能性あり。
3ヵ月以内:ボリュームゾーン。理想に近い売値で売れている。
6ヵ月以内:妥協。ちょっと遅いが利益は逃さず、資金繰りへの影響も少ない。
9ヵ月以内:最低ライン。売れたから御の字だが遅すぎる。キャッシュフロー悪化。
9ヵ月以上:失敗。長期保管料もかかるし、損切りが必要なレベル。
★仕入単価
55~220円:安いに越したことは無いが多すぎると出品作業が大変。高利益率が前提。
330~550円:ボリュームゾーン。リスクの低い安全圏かつ利益幅も取れてバランス良し。
660~990円:ちと高めだが作業量を増やさず利益額をしっかり積み増せる。
1,100~1,650円:高価格帯。多くなりすぎると危険。入念なリサーチが必要。
1,760~3,300円:冒険。失敗すれば成果が台無しに。よほど自信がなければ仕入れない。
★仕入件数
仕入単価500円台で月30万円稼ぐには在庫件数900~1,000件の維持が必要。
→月300件程度売れるので最低でも300件は補充が必要。
→週70~80件の仕入が必要。
→返品や売れ残りは必ず発生するので仕入週100件が理想。
上記プロセスを経て利益を創出しています。
目標を達成するには逆算することが重要です。
細かいことまで注意するほど精度が高まります。
想定通りに進まないこともありますが、後から帳尻を合わせることは可能です。
そのためには、どこがズレているのか比較検証することが必要になりますが、各項目に具体的な計画が無いことには比較のしようがありません。
目標を達成したければ必ず計画を立てましょう。
キャッシュフロー(現実の手取り:稼ぎ)
キャッシュフローは現金の入出金の結果を表しています。
2023年の手取り額は+3,684,960円でした。
Amazonやメルカリからの入金として+6,675,503円あり、仕入や経費の支払いで出金として-2,990,543円あったので、差し引き3,684,960円が手元に残ったということです。
「売上960万円だったのに入金は660万円?少なくない?」
「仕入190万円、経費360万円だったのに出金は300万円?少なくない?」
こんな疑問が浮かぶのではないでしょうか。
これが利益とキャッシュフローのカラクリです。
順番に解説していきます。
入金額(収入)
入金額は現金で入ってきた収入です。
いくら計算上の売上や利益が高くても、現金収入が充分に得られていないと仕事をしている意味がありません。
売上960万円に対して、入金660万円。
この差が生まれている理由は、販売手数料や配送料、月額利用料などが売上金から引かれているからです。
私のせどりスキームの場合、Amazonでは主に以下の手数料がかかります。
◆大口出品の月額利用料…月額4,980円、年間約6万円
◆販売手数料…販売価格の25~30%(購入者への配送料含む)→月平均売上80万円→月約22万円(28%計算)、年間約264万円
◆FBA納品時の配送料…1箱約550~750円、月平均10箱納品→月約0.6万円、年間約7万円
◆保管料…在庫1,000件目安→月約1.5万円、年間約18万円
◆長期保管料…9ヵ月以上の保管在庫5%目安→月約0.2万円、年間2万円
◆返送料、廃棄料…再販売不可または売れ残り3%目安→月0.1万円、年間約1万円
合計すると年間298万円となります。
実はこれが冒頭の表「システム集計/年」の経費2,989,506円の内訳でした。
つまり、Amazonでの販売に要する年間約300万円の経費は売上金から引かれて、残った金額を入金されることになります。
これが売上と入金の差額300万円のカラクリです。
ここで重要なポイントがあります。
年間300万円はかなり大きいと思う方もいるかもしれませんが、約9割は販売手数料(約264万円)で占められています。
この販売手数料は売上があって(利益が出て)初めてかかる経費です。
経費の章でも説明しましたが、変動費に当たります。
仕入やその他の経費と異なり、前もって支払う(出金する)必要の無い費用であり、利益が出ていることが前提の費用のため、キャッシュフローへの悪影響が非常に低い性質を持っています。
販売手数料は大きくてもキャッシュフロー(現金収支)を圧迫しない!
仕入リサーチ段階で販売手数料は見積もって利益計算しているので、経費の集計結果だけで「こんなに販売手数料がかかっているのか!」と悲観することはありません。
注意すべきは、予測より回転率(売れ行き)が悪くないかという点や、大型商品や高単価商品の売れ残りです。
売上金の回収が遅れたり、配送料や保管料の増大はキャッシュフローに悪影響を及ぼします。
月単位での影響は些少でも膨れ上がると想定以上に入金額が減ります。
「コストがいつもより気持ち増えたな…」と感じたら、安易な仕入をしないように気を引き締めましょう。
2023年は年間入金額+660万円、月平均+55万円でした。
ここからどれだけ減って手取りになるか、次章に続きます。
出金額(支出)
出金額は現金が出ていった支出です。
なるべく減らしたいというのが当然の心理です。
とはいえ、支払うべきところに支払わないとビジネスとして成り立ちません。
経費削減は常に意識する必要がありますが、在庫商売の必然として仕入代金など必須のものに関しては、支出を先送りにするなどキャッシュフロー改善のテクニックを身に着けておくとかなり有利になります。
・クレジットカードで支払えるものは徹底してカード払い。
・分割2回払いは手数料がかからないので積極的に利用。
・ポイントを利用して現金支出を削減。
※これらは不利な条件が一切なくキャッシュフローを改善します。
・3回以上の分割払いは手数料がかかるので要注意。
・仕入資金を利息のかかる借入で用意するのは悪手。利息の利率分、結果的に利益率が悪化する。
※支出先送りのためにコストが増加する行為は本末転倒になる可能性大です。
昨今、無在庫物販という原価がほとんどかからない夢のような物販形態もありますが、規約違反や知財侵害によるアカウントリスクと隣り合わせなビジネスモデルとなっています。
無在庫でそれなりに稼ごうと思ったら有在庫のアカウントリスクの比ではありません。
別人アカウントを増やす以外の解決方法があるなら私もやりたいので誰か教えてください。笑
仕入190万円、経費360万円に対して、出金300万円。
この差額が生まれる理由は、入金と異なり様々な要因が複雑に絡み合っています。
①前述のAmazon手数料が売上金から引かれている点
②利益計算に算入されている仕入額は仕入時ではなく売上時に計上されている点
※前述の仕入額の章参照
③上記支出先送りテクニックを利用している点
①によって経費360万円のうち300万円はAmazonの売上金から引かれているので、現金として支出しているものではないことが分かります。
ということは「残りの経費60万円は現金支出?」と考えられるかもしれませんが、そうでもありません。
前述した経費内訳では60万円は「メルカリの販売手数料+配送料、システム利用料、旅費交通費、消耗品費など」と説明しました。
このうち「メルカリの販売手数料+配送料」はAmazonと同様に売上金から引かれる費用です。
メルカリの販売手数料は一律10%です。
私の販売単価はAmazon想定と変わりなく2,500円程度なので、販売手数料は平均250円となります。
配送料はサイズによって異なり、最安210円です。
大型だと最大2,500円かかりますが、利益率が下がるので私は基本的に750円までしか取り扱いません。
そして最も多いのは520円です。
メルカリでの売上が年間約20万円ということは、販売単価2,500円で割ると販売件数は約80件となります。
(販売手数料250円+配送料520円)×販売件数80件=メルカリ手数料61,600円
メルカリ手数料約6万円は現金支出ではないので、経費の現金支出としては約54万円となります。
とすると「仕入190万円+経費54万円が現金支出?」と考えられるかもしれませんが、これも違います。
仕入額の章で前述したように、私の2023年の仕入代金は2,143,188円でした。
仕入時(仕入代金を支払った時)と売上時(販売した商品の仕入額はいくらだったか計算する時)にタイムラグがあることが約24万円の差を生んでいます。
さらに、仕入も経費もクレジットカード払いを徹底していて、仕入に関しては2回払いを利用するケースもあるので、前年2022年の終盤にカード払いしたものが2023年に計上され、2023年の終盤にカード払いしたものが翌年2024年に計上されるもののあります。
2023年の出金額は約300万円、うち仕入代金210万円、経費54万円、残り36万円が②③のタイムラグによって生じた金額になります。
ラグの36万円は月平均にすると3万円なので結構大きいです。
増やすも減らすもテクニック次第なので、ほどよいバランスで着地できるように日々の支払いを調整することが重要です。
月平均の出金額は約25万円でした。
以上を踏まえて最終着地点であるキャッシュフロー(手取り)を見てみましょう。
キャッシュフロー(手取り)
キャッシュフローは現金収支の結果です。
手元に残る現金のために仕事をしているので、せどりの成否はキャッシュフローで決まります。
手取りが満足なら成功、不満なら失敗です。
2023年の年間収支は+3,684,960円、月平均+307,080円でした。
月平均の入金額は55万円、月平均の出金額は約25万円で、差し引き約30万円の月の手取り額を作ったことになります。
これが純粋な儲けです。
この結果を基に所得税の確定申告をすることになります。
税額をしっかり抑えるために仕入と経費の領収書は大切に保管しておきましょう。
私としては満足な結果でした。
自由な仕事環境、無理のないペースの稼働時間、ストレスの無い販売方法、ハードな肉体労働は伴わず、金銭的リスクを抑えながら、計画通りの手取り額を得られたのですから上出来です。
もっと稼げれば良いのは当然ですが、何かを犠牲にするくらいなら多くは求めません。
結果を変えたいなら過程を変えるしか方法は無いですから。
私は狙ってこの結果に着地させました。
毎年ほぼ計画通りの結果を得ています。
物販は波がありますが、仕入や価格調整など日々の舵取り次第で操作することが可能です。
無計画に売上を増やそうとしたり、計画からズレたのに何も手を打たなければ、満足な結果が得られるはずがありません。
文章にするとスッと入ってこないかもしれませんが、ご自身の数値として体感的に捉えることができれば自然と理解できると思います。
稼げていないと感じている方はぜひ比較検証してみてください。
★パグのせどりコンサルでは数値の事前アドバイスはもちろん、プロセスの分析検証もお手伝いします。
問題の発生原因を突き止め、解決への道筋を二人三脚で模索します。
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