せどりは収益が安定するまでに時間を要するので、見切り発車の独立は非常に危険です。
せどりにはどのようなコストがかかるのかを理解して、想定外の事態に陥らないように備えましょう。
おはようございます。
パグです。
この記事では、せどりでの独立に必要な資金の計算方法をお伝えします。
無計画に独立しても資金繰りに困ったり、生活が成り立たず”マーケットから強制退場”ということになりかねません。
自信を持って独立できるようにしっかりと準備してください。
このページでは、計算の基となる考え方を解説しています。
下記ページに計算ツールを公開していますので使ってみてください。
簡易的な計算法|失敗しないための大前提

詳細な計算は後述しますが、瞬時に判断するための簡易的な計算法を最初にお伝えしておきます。
せどりには様々なやり方があり、方法次第で収益性が全く異なります。
この土台に乗っていなかったらそもそも成功は難しいので、ご自身がそのせどりに向いているかの判断に使ってください。
月に必要な資金=月に稼ぎたい金額 ÷ 販売粗利率× 原価率
販売粗利率は粗利から販売手数料を差し引いた利益が売上に占める割合です。
販売手数料率はAmazonやメルカリなどの販売媒体や商品ジャンルごとに設定されている手数料率です。
粗利=売上 ー 仕入
粗利率=粗利 ÷ 売上
原価率(売上に占める仕入の割合)=仕入 ÷ 売上(売上100% ー 粗利率でも計算できます)
例:売上10,000円、仕入5,000円、販売手数料10%の場合
粗利=10,000 ー 5,000=5,000
粗利率=5,000 ÷ 10,000=50%
販売手数料=10,000 ×10%=1,000
販売粗利率=(5,000 ー 1,000) ÷ 10,000=40%
粗利率より販売粗利率の方が低いことが分かります。
粗利率を使うより、売上が発生すれば併せて必ず発生する販売手数料を加味した、販売粗利率を使う方が理に適っています。
粗利率 ー 販売手数料率=販売粗利率でも計算できます。
※このブログで「利益」や「利益率」と表現されているものは基本的に「販売粗利」、「販売粗利率」のことです。
販売粗利を使う理由は、販売手数料は利益に大きく影響するので、せどりの利益計算では厳しめに見ておくべきだと考えているからです。
もう一点、「月利」というと販売粗利から全ての経費を差し引いた「営業利益」であることが多いです。
経費は月ごとにまとめた方が事業としての成績を正確に表すことができるというのもポイントです。
以上を踏まえて、シミュレーションしてみましょう。
シミュレーション

月に稼ぎたい金額が月30万円、粗利率が40%、販売手数料率が10%の場合
原価率=売上100% ー 粗利率40%=60%
月に必要な資金=30万円 ÷ (40% ー 10%) × 60%=60万円
つまり、60万円仕入れれば、100万円売り上げて、販売手数料が10万円掛かるので、販売利益が30万円残るということです。
実際には販売手数料以外にも様々な経費が掛かります。
また、返品や不良在庫などで計算通りに売上を達成できる保証もありません。
最低これだけあっても足りない金額なので、資金がこの計算結果を下回っている場合は、借金でもしない限りその粗利率のせどりでは独立不可能です。
私が実践しているせどりは「利益率50%超」とトップページで触れていますが、この利益率は販売粗利率のことです。
Amazonの販売手数料率(FBA手数料)は最大30%とメルカリなどに比べて高いですが、その分原価率が20~30%と低いです。
月収30万円なら仕入15万円程度でも到達可能なので、資金面が不安な方におすすめしています。
この簡易計算法で資金不足が判明した場合は、一度せどりのやり方を見直してみてください。
FBA手数料が高い理由は配送料が含まれているからです。
Amazon本体がヤマトや佐川などの配送業者と契約しているので、FBA利用者は一般的な配送料より格安で発送することができます。
加えて、商品発送時にAmazonで梱包してもらえる梱包材の費用は無料です。
そうした理由から、一見販売手数料が高いように見えますが、実は経費を圧縮できているので最終的な利益の増大につながっています。
以下から、本格的な計算に入ります。
上記資金を達成している方は確認してください。
想定すべきコスト|独立後はせどりが本業!

生活費
副業とは違い、独立すればせどりがメインの仕事になります。
本業の手取り(手元に入る現金)が生活費を下回るようでは失敗に終わります。
生活できるレベルの稼ぎを生み出し続ける必要があります。
まずはご自身やご家族を含めて、月にどれだけの生活費が掛かっているのかを把握しましょう。
・家賃、住宅ローン返済
・食費
・日用品費
・水道光熱費
・スマホ、ネット代
・税金
・年金
・各種保険料
・学費、教育費
・仕送り
・医療費
・交際費、遊興費
・車維持費
・サブスク代
・たばこ代
など
また、生活費だけでなく、今後出費が予測されるものを全て抽出しておくのがポイントです。
・入学金、入学準備費
・車検代
・引っ越し代
・更新料
・お中元、お歳暮
・冠婚葬祭費
など
細かければ細かいほど失敗が少ないです。
これらの合計で最低限の手取りとして稼がなければならない額が分かります。
ビジネスモデルの把握

せどりと一言で言っても、取り扱う商品によってビジネスモデル(構造)は全く異なります。
ご自身がやっている、やろうとしているせどりがどのような収益構造をしているかを調査し、全体像を把握しましょう。
指標の調査
・粗利率
・販売粗利率
・営業利益率(全ての経費を差し引いた利益「営業利益」÷売上)
・販売手数料率
・価格帯
・回転率(月に在庫が何回入れ替わるか)
・返品率(販売数に対して何件返品されるか)
など
既にせどりに取り組んでいる方は実績から集計してみてください。
これから取り組もうとしている方は、そのビジネスモデルの平均値を、可能な限りの情報を収集して想定してみてください。
漏れがあると失敗の可能性が高まるので注意しましょう。
回転率
回転率は高いほど売れ行きが良いということです。
ただし、在庫を確保しなければ回転率の高さを活かせないので、回転率の実現に必要な在庫数を仕入れられることが前提です。
在庫100件で回転率1なら月に100件仕入れば目標達成です。
回転率10なら月に1,000件仕入れなければ目標に達しません。
予定販売数に応じて仕入資金も確保しておかなければ安定しないということです。
在庫を必要な数だけ補充できるまでの期間を要する場合は、その期間中の生活費を準備しておく必要があります。
回転率1未満の場合は、1 ÷ 回転率を切り上げた数値の月数分の月間生活費と、後述する経費を運転資金として備えておきましょう。
例:回転率0.3の場合
1 ÷ 0.3=3.3=運転期間4ヵ月
ただし、運転期間中も利益は生まれてくるので、丸々資金を消費するわけではありません。
少なくとも想定の販売粗利に回転数を掛けた金額程度は運転期間中の利益として見込んでも良いと思います。
例:販売粗利30万円 × 0.3=9万円 × 4ヵ月=運転期間利益36万円
返品率
物販をやっていく限り返品のリスクは避けられません。
返品は新品では少ないですが発生した時のダメージは大きいです。
実績値が無い場合は仮で3~5%程度の売上減少を見込んでおくとショックを吸収してくれます。
私のせどりスキームでは中古品を取り扱っていますが、返品率は年間で3%程度です。
3%の売上減少であれば、その分粗利の増加を見込むことで計画の帳尻が合います。
つまり、販売粗利率 × 97%で計算すれば、必要な仕入資金に反映されるということです。
実際に動き出すと試算より改善する可能性は低く、むしろ悪化する可能性が高いです。
見積りを計算する際は厳しめに計算する癖をつけておきましょう。
経費の調査

販売媒体や販売数、仕入方法などによって:経費(販管費:販売費及び一般管理費)に相違点があります。
・システム利用料
・配送料
・梱包材費
・旅費交通費
・保管料
・代行手数料
など
経費には売上によって変動する変動費(販売手数料など)と、売上とは関係なく一律支払い義務が発生する固定費があります。
上記のうちシステム利用料以外は変動性がありますが、売上によって増減するわけではないので、ここでは全て固定費として扱います。
これらも細かければ細かいほど正確に損益を予測できます。
ビジネスモデルの調査把握は最重要課題です。
自分のやっている、やろうとしている事業の全体像が分からず独立するのは危険過ぎます。
分業されている仕事をこなして給料をもらう会社員ではなくなることを自覚して臨みましょう。
必要資金の計算方法

ここまでで把握できた情報を基に試算していきましょう。
月に必要な手取り=月間生活費+月間経費
手取りは手元に入る現金のことです。
ここでは営業利益(=販売粗利 ー 経費)が手取りとして計算します。
※支払いサイクルや引当金の入金タイミングなどで時差が生まれるので厳密には異なります。
月に必要な仕入資金=月に必要な手取り ÷ 販売粗利率 × 原価率
必要な資金=(月に必要な仕入資金 +月に必要な手取り ー 運転期間利益) × 運転期間+予測出費
ここまで準備しておけば、想定外の事態が起こらない限り、資金繰りで失敗することはほぼ無いです。
後は計画通りに進めるだけで独立成功です。
せどりで独立するタイミング

せどりで独立するためには条件があります。
・独立資金の準備完了
・古物商許可の取得
・収益の見込み
上記の条件を全て満たした時点で初めて独立可能なタイミングとなります。
独立資金の準備完了
計算で得られた独立資金を頑張って用意しましょう。
独立を目標に副業としてせどりを始められた人は利益を使い込まないように注意してください。
古物商許可の取得
独立以前に、せどりには古物商の許可が必要です。
古物商許可の取得には審査に30~40日程度要します。
せどりを始めるタイミングで申請しておきましょう。
収益の見込み
副業と本業の最大の違いは、生活できる現金を毎月確実に稼ぐ必要性です。
収益の見込みが立たない限り、安易に仕事を辞めてしまわないように注意しましょう。
確定申告

せどりで生活できるレベルになると毎年の確定申告が義務になります。
※副業でも課税所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。
確定申告の結果によって所得税や翌年の住民税が決定します。
注意点として、経費計上に漏れが無いように領収書は大切に保管しましょう。
独立のタイミング次第では赤字になることもありますが、青色申告の届け出をしておけば赤字(欠損金)を翌年度以降に繰り越す(所得を減らして節税する)ことができます。
個人事業主にとって確定申告はやり方さえ覚えれば強みにもなります。
有利なポイントを押さえて収益を最大化しましょう。
計算ツール|せどりの独立資金を実際に計算してみよう
以上、せどりで独立に必要な資金の計算方法でした。
考え方が理解できたら次は計算ツールで実際に計算してみましょう↓↓
下記記事では、私のせどりスキームではどのように月利30万円を実現していくかの過程をシミュレーションしています。
独立した後の流れが気になる方はご覧になってみてください。
資金が潤沢に無い状態で独立するとお金に苦しむ時がほぼ確実に来ます。
事業を始めるとお金は想像以上のスピードで出ていきます。
せどりはお金を払ってお金を稼ぐビジネスですから当然です。
私は経理出身のくせにお金の流れを甘く見た結果、毎日頭痛がするほど資金繰りに苦悩しました。笑
このブログを読んでいただいている方だけは見切り発車で失敗することの無いよう祈っています。
せどりコンサル|独立成功者を多数輩出中!

パグのせどりコンサルでは、短期間かつ確実にプロレベルの力を身に付けていただき、最速で独立を達成できるようにサポートしています。
利益商品の仕入れ方はもちろん、確定申告の基本的なやり方に至るまで、経営に必要な総合力を底上げします。
成長のペースは人それぞれです。
マンツーマンで丁寧に、安定軌道に乗るまで無期限でお付き合いさせていただきます。
2025年5月現在、当コンサルでの独立成功者は25人です。
元々独立を目指していたコンサル生さんだけでなく、副業のつもりで始めて独立された方もいらっしゃいます。
「せどりだけで生活できるほど稼げるんだ」と実感できれば、独立を考えていなかった人でも考えが変わるかもしれません。
まずは稼ぐ力を付けることから始ましょう。
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