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せどりにおける損切り【利益を守るために必須のテクニックを解説】

株の世界ではよく耳にする”損切り”ですが、物販の世界にも同様の概念が存在します。 
物販界における損切りをせどりのプロが徹底解説します。

おはようございます。
パグです。

この記事では、せどりの損切りについて解説します。

損切りにネガティブなイメージを持っている人は多いと思いますが、実は利益を守るための重要なテクニックです。

できる人とできない人では、最終的な利益に明らかな差が生まれます。 

例え高利益率を維持していても、損切りができていないと儲からないせどりをしている可能性があります。

せどりにおける正しい考え方とやり方を覚えて、利益の最大化を図りましょう。

せどりの損切りとは

損切りとは、利益の見込めない商品を売却または処分して損失を確定させることを指します。 

損失を確定させてでも売却または処分した方が得策なケースが存在するということです。

元来せどりは”仕入れ”というリスクを冒してリターンを得ようとする行為です。

そして、仕入れが100%成功し続けるなんてことはあり得ません。

「失敗はありつつも、それを上回る利益を出していく」という前提に立たなければ、いくら知識や実力を付けても儲からない人で終わります。

「少しも損したくない」や「利益率を落としたくない」といって完璧を求める性格の人は少なくありません。

しかし、そうした人はビジネスの世界でも投資の世界でも淘汰されてきました。

失敗から目を背けることなく、軌道修正への正しい方法を採れる人が成功に最も近いということです。

せどりも例に漏れることなく、損切りは失敗した時に軌道修正するための重要なテクニックになります。

せどりでは目的別に2つの損切りがあります。

・資金回収を目的とした損切り

・コスト発生防止
を目的とした損切り

資金回収を目的としたせどりの損切り

1つは、一定期間売れずに残っている商品を、赤字(損失)になる価格であっても売れる価格に設定して販売することで多少なりとも資金を回収するための損切りがあります。

例えば、

仕入値:1,000円
販売手数料:200円
送料:300円

だとすると、販売価格は1,500円を超えなければ利益は生まれません。

しかし、1,500円超で売り出していても、売れなければ利益が出ないどころか仕入値の1,000円は戻ってくることはありません。

損するのが嫌で「いつか売れるだろう」と販売価格を下げることなく、そのまま売れない状態が続くことを”塩漬け”と言います。

塩漬け状態の商品は、その仕入値分の資金が支出されたまま戻ってきていない、つまり資金が拘束されているということです。

その資金があれば活用することで利益を生むことができるのに、放置していては機会を逃していることになります。

せどりの損切りは利益を生まない商品に見切りをつけて、別の商品の仕入資金に充てて利益を新たに生み出すことが目的の一つです。

コスト発生防止を目的としたせどりの損切り

保管料がかかるせどりを営んでいる場合においては、価格を下げても販売が期待できない商品は返送廃棄などの対策を講じて、資金の回収が叶わなくともコストの発生を防止するための損切りがあります。 

FBA(Amazonによる自動販売形態)では、Amazonの倉庫に預けている商品の体積の合計によって保管料がかかります。

在庫保管手数料

FBAの即日発送という付加価値により高値で売れているので、保管料は決して悪ではなく必要な経費です。

ただし、不釣り合いな保管料が発生している場合は売れ行きに問題があるので注意しなければいけません。

具体的な数値例を挙げると、私の場合は在庫約1,000件月1.5万円程度かかっています。

月1.5万円が私の基準なので、これより大幅に増加していると売れ行きが悪いと判断しています。

FBA利用者は目の前に在庫商品が積み上がらないため売れ残りを自覚しづらいので、保管料を毎月しっかりチェックするようにしましょう。

また、保管日数が270日(約9ヵ月)を経過した商品に対しては長期保管料として料金が加算されるので、最長でも9ヵ月以内に売り切ることがセオリーです。

損失を確定させるのは心理的にハードルが高いですが、よほど利益額が期待できる商品でもない限り、何の展望もないまま放置するのは愚策です。

月々の保管料自体は微々たるものですが、積み重なるとボディブローのようにじわじわと利益を食い潰されて苦しむことになります。

損失が発生・増大する前に迅速に処理することが利益を守るうえで重要です。

想定していた期間内に売れないということは”仕入れの失敗”に他なりませんが、せどりに仕入れの失敗は付き物です。

なので売れ残り自体は大した問題ではありません。

最悪なのは問題が生じているのに見て見ぬふりして対策や改善に動かないことです。

自分のミスを認めるのはツラいことですが、未来のために自分に厳しく決断する癖を付けましょう。

せどりの損切りの方法

せどりにおける損切りの方法は以下の3つです。

1、価格改定(値下げ)

2、返送・廃棄

3、買い取り

せどりの損切りは、商品ごと、またはフェーズごとに取るべき方法が異なります。

・値下げすれば売れる見込みのある商品
 →価格改定

・値下げしても一定期間売れなかった・売れる見込みのない商品
 →返送・廃棄

・売れなかったがリサイクルショップに持ち込めば少しは足しになりそうな商品
 →買い取り

また、基本的にせどりの損切りは段階を踏んでいくことになります。

損切りは意図的に損失を確定させるものですが、だからと言って損失は大きくなっても良いというわけでもありません。

出口戦略ならぬ”損切り戦略”で、損失の極小化に努力することがせどりの損切りを成功させるコツです。 

以下から各損切り方法の具体的なやり方を解説します。

価格改定(値下げ)

価格改定とは、販売価格を変更することです。

せどりの損切りの始め方としては、原則価格改定からスタートします。

値下げをしても売れず、売れても赤字となるタイミングから損切りの対象と判断します。

価格改定のやり方は自動(システムによる価格追尾)と手動(手入力による価格変更)に大別されます。

結論から言うと、おすすめは手動での価格改定ですが、順番に解説します。

自動での価格改定

出品サポートツールなどのシステムを利用すれば、価格を追尾(自動で最低出品価格や設定した条件に応じた価格に変更)させることができます。 

商品ごとに手作業で価格を変更する必要がなくなるので非常に便利なシステムです。

ただし、私個人としては自動での価格改定はおすすめしていません。 

理由としては、自分で操作できないので不本意な価格で販売してしまうことで想定外の利益減少につながるためです。 

私がせどりを始めた初期は「画期的なシステム!」と価格改定機能を喜んで利用していました。 

しかし、売れるのがあまりに早すぎると商品のポテンシャルを活かしきれず機会損失を招いていることに気付き、後述する手動での価格改定に移行しました。 

特に中古せどりで唯一無二の商品を取り扱う場合、少ない商品件数で高利益率を出すビジネスモデルのため、競うように価格を下げて早く売り切る必要がありません。 

システムによっては商品ごとに価格変更の上限や下限を設定することも可能ですが、利益を守る目的としては有効性が薄く、この作業自体が手入力なので本末転倒です。 

新品せどりで膨大な量の商品を販売している場合は手動での価格改定は非効率なので、早期に資金回収をしなければいけない財務状況なら価格追尾に頼った方が得策かもしれません。

手動での価格改定

手動での価格改定は、文字通り手入力により価格を変更することです。 

時間と労力はかかりますが、意図しない安値で売られてしまう損失を考えれば必要な工程だと判断し、コンサル生さんにもおすすめしています。

Amazon販売で出品サポートツールを利用している場合、セラーセントラルで直接価格を変更すると、反映のラグにより出品サポートツール上の価格が再反映されてしまうことがあるので、出品サポートツールの価格を変更する方が確実だと思います。

手動での価格改定において、私が意識しているのは期間価格実施日(タイミング)です。

順番に解説します。

期間

前述した通り、せどりの利益最大化(可能な限り高値で売る)を叶えるためには販売スパン(売り切りに要する期間)をある程度長く保つことが重要です。

どの程度の期間があれば良いかは商品や競合などの環境によるところが大きいですが、中古品をAmazonで販売する場合に私が考える基準を紹介します。

【フェーズ①】出品〜3ヶ月:売れればラッキーのモラトリアム(猶予期間)

価格設定:高値(強気な価格設定)~やや高値。
※売れそうにない価格を付けても意味が無いので、理想的だが現実味のある価格であることに注意。

期間中は原則価格改定しない
売り切り前に同一商品を仕入れてきた場合は出品中の商品を気持ち値下げする。

【フェーズ②】4~6ヵ月:商品のポテンシャル通りの価格で売る。

価格設定:現在の相場~競合よりやや安値。

過去の販売実績に忠実に従い、現実的な着地点となる価格に変更する。

4ヵ月目の変更価格で据え置くか、毎月段階的に下げていくかは当人の在庫状況や経済状況から判断。

利益がしっかり出る価格で売れるタイミングを逃さないことが重要。

【フェーズ③】7~9ヵ月:この期間内には必ず売り切る。

最安値~相場よりお得な価格。

損切りとなる(赤字が確定する)商品がちらほら発生する可能性が高い。

価格を据え置くよりできれば毎月値下げをした方が良い。

利益が小さくなっても売れるタイミングを逃さないことが重要。

【フェーズ④】9ヵ月~:可及的速やかに売り切るか、価格改定以外の損切りに動く。

価格設定:在庫処分価格。返送・廃棄コスト(0~-100円程度)以上の赤字価格。 

利益が1円でも出れば御の字、せめて仕入値分は回収したい。

※課税売上高1,000万円に近い場合(消費税納税義務発生)、売上を上げない方がベター。

上記基準を参考に販売成績や価格推移をチェックしましょう。

フェーズ①は、キャッシュフローに余裕の無い方は期間を短くしたり、そもそも最高速度の回転を目指した方が良いケースもありますが、この期間にこそ利益の伸びが期待できるので、余裕のる方はなるべく長く設けるのがコツです。

価格

変更後の価格をいくらにしようか判断に悩むことがあると思います。

理想としては、商品ごとに再度リサーチし直し、少しでも利益を守り・少しでも有利な価格を模索することがベストです。

しかし、その作業には時間と労力がかかります。

そこで私は、時間が惜しい時にはあらかじめ決めている価格を付けることにしています。

値付け例

・9,800円で売れなかった場合、次に付ける価格は8,800円

・5,980円で売れなかった場合、次に付ける価格は5,480円

・2,980円で売れなかった場合、次に付ける価格は2,800円or2,680円or2,480円

・2,480円で売れなかった場合、次に付ける価格は2,200円or1,980円

・在庫処分価格は660円or550円440円

キリの良い数字の税込み価格にしたり、8で終わる数字が人間の心理的に安くお得に感じるそうなので原則採用しています。

特に正解があるわけではないですが、これで私は問題無く売れているので、せどり初心者の方はとりあえずマネしていただくことが最適解だと思います。

また、フェーズ②まではあまり極端に落とし過ぎないことが利益を守るうえで大切です。

ただし、5,000円以上の高価格帯の商品はちまちま刻んでいてもほとんど影響が無い場合が多いので、値下げする場合は1,000円~500円程度ざっくり落とす方が効果的です。

手動での価格改定を採用している時点で利益を守るという目的は達成しているので、その一工程の値付けに細部までこだわり時間を割くのは非効率だと感じ、この手法を考えました。

時間が有り余っている場合には再リサーチからの値付けが理想であることは間違いありません。笑

実施日(タイミング)

価格改定の実施日は、月に1回・毎月14日としています。

14日に実施している理由としては、毎月15日がAmazonの保管料が決定される締め日であり、前日までに売れる見込みのない(安値の競合も売れていない)商品の返送・廃棄の依頼をかける必要があるからです。

売れる見込みのない商品をあぶり出すついでに、売れる見込みのある商品の価格を見直しているということです。

手動での価格改定はなるべく高頻度に実施するのが理想ではありますが、時間も労力もかかるのであまりに頻繁だと嫌気が刺したりワークライフバランスを崩しかねないので、忙しい方は月に1回で充分だと思います。

返送・廃棄

返送は、商品を倉庫などに預けていて保管料が掛かっている場合、自宅に返送してコスト発生を打ち止める方法です。

返送した後は別媒体での販売を検討したり(Amazonで売れなかったけどメルカリではどうか)、買い取りに出すか自分で使うかなどを判断します。

廃棄は、「この商品は価格が付かない」と判断し処分する方法です。

仕入値分の損失が確定するので、せどりの損切りにおける最終手段です。

Amazon販売のFBAでは、①購入者からの返品で再販売できない状態の商品や、②規制等で出品不可となった商品、②売れる見込みのない商品、もしくは④別媒体なら販売が期待できる商品などが発生した場合、返送または廃棄を依頼することが可能です。

FBA返送/所有権の放棄手数料(商品あたり)

サイズ重量手数料
小型、標準サイズ0~200g商品1点あたり30円
201~500g商品1点あたり45円
501~1,000g商品1点あたり60円
1001g~商品1点あたり100円 + 1,000g*を超えた分の1,000gにつき40円
大型および特大型0~500g商品1点あたり80円
501~1,000g商品1点あたり110円
1,001~2,000g商品1点あたり140円
2,001~5,000g商品1点あたり200円
5001g~商品1点あたり350円 + 5,000g*を超えた分の1,000gにつき40円

上記の手数料には10%の消費税が含まれます

*手数料は、最初の1,000g(小型および標準サイズ)または5,000g(大型および特大型)を超えて1g増加するごとに請求されます。 たとえば、小型サイズ商品の重量が1,500gの場合、手数料は120円(100円 + 40円/1000g * 500g)になります。

多くの場合は100円未満、数十円で実施することが可能ということです。

無暗に保管料を支払い続けるくらいなら潔く損切りを判断した方が賢明です。

前述した通り、15日に保管料が計算されるので14日までに依頼しましょう。

返送・廃棄のやり方

FBAでの返送・廃棄のやり方は以下の通りです。

セラーセントラル:全在庫の管理→商品の右メニュー→返送/所有権の放棄依頼の作成

返品などで販売不可となった商品がまとめられているページから依頼することも可能です。

返送の場合は”配送先住所”、廃棄の場合は”廃棄”を選択→商品の状態が販売可能か販売不可かに応じて数量を入力→確認

これで返送・廃棄の依頼は完了です。

返送・廃棄が実施されるタイミングは商品や時期にもよりますが、依頼日からおおむね2週間程度かかります。

買い取り

買い取りは、リサイクルショップへ持ち込んで即金で買い取ってもらうことです。

基本的に何でも買い取ってもらえるので、損切りの“最後の砦”として考えます。

ただし、買取金額は非常に安いということは念頭に置いておく必要があります。

100円以上になれば御の字と考えましょう。笑

廃棄で仕入値分まるまるの損失とならないように少しでも緩和させることが狙いです。

私は仕入れの際についでに持ち込んでいます。

買い取りにおすすめのリサイクルショップ

・オフハウス、ハードオフ、ホビーオフ
・セカンドストリート
・トレジャーファクトリー
・ブックオフスーパーバザー

上記は全て私が中古せどりの仕入れ先としても利用しているリサイクルショップです。

結論から言うと、「どこのショップが高い」ということはありません。

査定は店舗によるので、試しに買取依頼をしてみて高かったところにお願いするのがベストです。

高い値付けをしてくれた店舗が基本的に優良店とみなすことができますが、ジャンルによっても強み弱みがあるので一概には決めることはできません。

まずは仕入れ先だけで良いので、相見積もりを取ることが買い取りによる損切りの始め方です。

ショップによっては買い取り強化のイベントが開催されることもあるので、損切り対象商品が増えてきたらタイミングをチェックしてみましょう。

と、これだけでは参考として弱いので1件おすすめを挙げます。

私の場合はオフハウスなどのオフ系を優先的に利用しています。

理由としては、”ハードオフアプリ”を入れていると購入と買取の実績に応じたランクアップがあり、ポイント還元率が上がるからです。

ちなみに私は最高ランクである”OFF MASTER(オフマスター)”の称号を手にしています。笑

中古せどりをやるならオフマスターを目指すのも楽しみの一つです^^

せどりの損切り方法とタイミングをマスターして失敗を回避しよう!

せどりの損切りは方法の選択と実施のタイミングによって効果が左右されます。

「売れそうにないから」とすぐに買い取りや廃棄など安易な方法を採ってしまったり、「まだ大丈夫」とタイミングが遅れれば損失が大きくなってしまいます。

別媒体で売れるかなど調べたり、価格改定の頻度や精度を上げるなど、損切りは確定してもダメージを減らす努力を惜しんではいけません。

「方法は慎重に、タイミングは迅速に」を合言葉に、最善の損切りを身に着けていただければ幸いです。

以上、テクニックを中心に解説してきましたが、最後に1点。

せどりでは損切りを決断できるようになること自体が成長の一歩です。

一朝一夕で身に付くものではありませんが、やるべきことだと理解さえできれば自然とできるようになっていきます。

日々コツコツとこなしていけばキャッシュフローが改善し、無理に販売成績を上げようとしなくても手残りが多くなったと実感できる時がきっと来ます。

夢や目標に向かって一歩ずつ進んでいきましょう。

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